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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
 風邪をひいて病院に行きました。仕事が外せないためすぐ治る点滴はどうでしょうか?と先生に相談しましたが、食事もとれており、嘔吐、下痢もないので必要ないといわれましたがどうなのでしょうか?

A.
 私もその先生と同じ考えで風邪に点滴は必要ないと考えています。点滴の成分は、糖分ミネラルが含まれていますが、大部分は水分です。点滴は風邪の原因のウイルスに効くものではなく、風邪自体を治すものではありません。主に目的は水分とミネラルの補給で、経口摂取ができ嘔吐、下痢もなく脱水の所見のない場合は必要ありません。栄養の補給ができるから早く治ると考えている人もいますが、通常外来で行う点滴は1本500mlで50−100kcal程度、アイスクリーム1カップ120gが200−220kcalですので微々たるものです。脱水がなく、水分補給、摂食に問題がなければ、点滴から得られるものは、主に心理的効果に過ぎないと思われます。咳、咽頭痛、鼻水、発熱の症状に対しては、種類の豊富な内服薬が適していると思います。


ひろなか内科循環器科 弘中 克己先生

■プロフィル
平成2年 山口大学医学部卒業 平成9年山口大学大学院より医学博士授与 山口大学医学部付属病院、山口労災病院、美祢市立病院等で勤務
平成20年ひろなか内科循環器科開院 循環器専門医 内科認定医
(2017年11月8日 サンデーうべ掲載)