Q.
 歩いたり、階段をのぼったりすると胸が重苦しくなり、休むと数分でよくなるといった場合、どのような病気が考えられるでしょうか? 
A.
        虚血性心疾患という心臓の筋肉への血流が悪くなる病気かもしれません。  虚血性心疾患には狭心症と心筋梗塞があります。狭心症は心臓の血管が細くなり一時的に血流が悪くなる状態で、心筋梗塞は心臓の血管がつまり心臓の筋肉が壊死を起こしている状態です。
       今回の症状は数分でよくなるとのことですので、狭心症の可能性があります。狭心症は動いた時に胸が痛くなる事がよく知られていますが、実際には動いた時に胸が重苦しくなる、圧迫される、なんとなく変だ、ドキドキするという訴えが多く、動いた時に首からあごや肩が痛くなるという訴えの場合もあります。狭心症は症状が消失すれば、心電図や心臓超音波検査では異常がないことが多いため、問題がないと言われることもあります。最近はCT検査で簡単に心臓の血管を検査し、狭心症の診断をすることが可能です。現在そのような症状がある、または以前にそのような症状があった方は、一度近隣の医療機関に相談することをお勧めします。
       また、症状が頻回に起こる、よくなるまでの時間が長くなるような場合には、心筋梗塞の前段階の可能性がありますので、すぐに医療機関を受診してください。
      
      
        
                   
              | 
            宇部仁心会病院副院長 
            橋本 弦太先生 
             
            ■プロフィル 
            山口大学医学部卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医 
            ≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会 | 
          
                    
            | (2018年3月14日 サンデーうべ掲載) |