Q.
便秘で困っていますが(49歳・女性)
A.
慢性便秘症には、大腸癌や巨大結腸などの器質的なものと、機能性便秘とがあります。本来、体外に出すべき糞便を十分量かつ、快適にできない状態と定義されています。
原因は薬剤性、ストレス、ダイエットや朝食欠損、食物繊維摂取不足、睡眠不足、運動不足、加齢、腹圧低下、便意の我慢などがあります。
治療は、ウオーキングや腹筋運動、十分な水分と食物繊維の摂取、規則的な生活や食事が必要で、オリゴ糖、オリーブオイル、キムチや味噌、ヨーグルトも有用で、腸のマッサージ、ぬるめの入浴、よく咀しゃくすることや便意を我慢しないことなどが大事です。
薬は、酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤、刺激性下剤、膨張性下剤などがあります。最もよく使われるアントラキノン系の刺激性下剤の一部は、メラノーシス(腸の黒色変化)などをおこし、短期間の使用がすすめられています。新しい上皮機能変容薬も効果が高く、頻用されています。この他、便意の少ない人は坐薬による刺激が有用です。
漢方薬は大黄甘草湯や、高齢者には麻子仁丸、潤腸湯などがあり、刺激性の大黄を含まない大建中湯、加味逍遥散、桂枝加芍薬湯も有用です。西洋薬および漢方薬など選択肢が増えたので、根気よく色々試してみて下さい。
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吉中内科医院院長 吉中 博志先生
■プロフィル
金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。 |
(2019年1月4日 サンデーワイド掲載) |