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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
50歳代の男性です。現在、高血圧症のため、降圧薬を服用しています。血圧の数値は問題ないですが、脈拍数が85回/分と運動した後ではないのに、高い数値が続いています。このまま放置してもよいのでしょうか?

A.
 脈拍を測ることは突然死リスクを予測する目安となることがわかってきました。安静時脈拍数の数値は、肉体的・精神的ストレスを敏感に反映します。そのため、毎日測っていれば数値の変化によって過労、睡眠不足、飲み過ぎなどの生活習慣の悪影響や、自分でも自覚していないストレスについて、早めに気づくことができます。脈拍数を測る場合は次の点に気を付けて測定して下さい。
・朝起きてから1時間以内に
・測定前に朝食はとらない
・トイレは我慢しない
・リラックスして座った状態を2〜3分続けてから
・姿勢を正しくし、腕と心臓が同じ高さになるように
これまで心拍数の正常値の範囲は、成人の場合は60〜100とされていました。しかし、健診を受けた人たちで調べると心拍数は65±10/分で、85/分以上はまれです。実際に健診を受けた人たちを調査すると、心拍数の多い人はその後に脳卒中、心筋梗塞、突然死が多いことがわかっています。福岡県田主丸町の調査でも、心拍数90/分以上のその後の死亡率が高かったと報告されています。高血圧患者の約3割が心拍数80/分以上といわれており、高脂血症や
糖尿病、肥満を有するメタボリック症候群の方が多いのです。
これらは動脈硬化や心臓病の危険因子であり対策が必要です。気になる方はお近くの医療機関にご相談して下さい。

金沢守クリニック院長 金沢 守先生

■プロフィル
平成2年:山口大学医学部卒業
山口大学医学部附属病院、宇部記念病院、阿知須同仁病院などを経て平成23年9月7日「金沢守クリニック」を開業
(2019年5月22日 サンデーうべ掲載)