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この街この人

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第14回 こだわり抜いた最高級の洋ランを美しく咲かせる

洋ラン生産者 隅野 克己さん




 贈り物の定番、コチョウラン。優美で気品漂う花姿は、おめでたい場をより華やかにしてくれる。山陽小野田市埴生にある隅野洋ランで生産されるコチョウラン「ソーゴユキディアンV3」は、日本で唯一、無農薬栽培を行っている。同品種は、見た目の豪華さだけでなく、根も葉も強い花持ちの良さから人気を集めている。
 生産者の隅野克己さんは、高校生の時に初めて見たコチョウランに深く感銘。40年程前はまだ現在のようにコチョウランが一般的なものではなかったため、写真でしかその姿を見たことがなかったが、実際に見たコチョウランは驚くほど美しく、その商品価値を高校生ながらに感じたという。


 高校を卒業すると同時に愛知県のコチョウラン生産農家で修業を積み、2年後に独立。これまで農林水産大臣賞をはじめ、数々のコンクールで受賞するなど、その技術面はラン業界の中でも高く評価されている。
 隅野さんが生産する「ソーゴユキディアンV3」は、品種改良を重ねる中で得られた優秀な遺伝子をクローン化したもの。安定した品質と供給を行うため編み出された。真っ白に咲く大輪は肉厚で、花弁のサイズは11〜13センチほどにもなる。花の裏側がほんのりピンクがかっている特長を持っている。
 生産過程の中で特に注力するのは温度、湿度、光の調整。開花の時期を計って花芽を育てるため、苗は25〜30℃、花芽は20〜25℃にエアコンを調整している。温度の高い温室から低い温室へと移すことによって花芽を伸ばし始めていく。


亜熱帯地域に生息するコチョウランは、直射日光を遮る樹木の幹に着生するため光に弱く、強い日差しに当たると葉焼けを起こしてしまう。そのため照度計で明るさを計測し、温室の上に張ったネットの上げ下げを行うことで光の調整を行っている。夏場はネットを2枚重ね、1枚でもかけ忘れると葉焼けを起こしてしまうという。
 開花後の花向きにも注意を払う。縦方向に並んだ花姿を保つため、花が順番に重なり合い、一定方向になるよう調整を加えていく。葉の状態が7、8枚の株になった状態で温度を下げ、5カ月後に出荷する。出荷先の市場は山口県内3カ所、北九州、大分、長崎にまで及ぶ。
 生産者としてのこだわりについて隅野さんは、卸し先の生花店からのクレームがないことに尽きると話す。
 競争の激しいラン業界で勝ち残るため、今後も試行錯誤を繰り返しながら美しい花たちを育て上げていく。
 
問い合わせ
隅野洋蘭
山陽小野田市埴生東糸根3422
【オンラインショップ】
https://suminoyouran.stores.jp/


(サンデーうべ 2018年12月28日号掲載)