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■第5回■
「歯を抜けたままにしておいてよいか」
成人で上下28本の歯があります。その他に親知らずが上下に4本(ただし生えてこない人も多い)。現在8020運動を全国歯科医師会は推めていますが、残念ながら厚生省の調査では、60歳の人は平均12本の歯を失っています。30代から40代の方でも総入れ歯の方が年間数人は当医院に来院されます。歯が無くなれば健康的、審美的又顔ぼうのバランスを崩し、ひいてはカラダ全体の不調を来たします(肩こり・頭痛・腰痛も原因の一つです)。
歯が無くなってしまったところを人工的に補う方法は大きく分けて、ブリッジ・入れ歯・インプラント(骨に直接、金属セラミックを埋め込む)の3種類です。
ブリッジとは取りはずしの出来ない人工の歯で補う治療のことです。失った歯の両隣りの歯を削って、これを支えに橋(ブリッジ)状に人工の歯を作るからです。しかし保険の診療では、細かい規則があって、全てブリッジで修復できません。失った歯の本数、前歯と奥歯の違い、支えになる歯の強弱等々。たくさんの歯を失ったり、連続して歯を失った場合にはブリッジという方法は使えず、入れ歯という方法になります。
入れ歯にはいろいろな種類がありますが、人工の歯を支えるのは残った歯だけではなく、あごの粘膜も使います。
残った歯の数が少なくなればなるほどあごの土手に頼ることになるので、はじめ調子の良かった新しい入れ歯も、そのうちあちこち痛くなって思うようにかみ切れない。すっかり入れ歯の生活に自信をなくしてしまいます。入れ歯をいれて一週間くらいは徐々に食べやすいものから練習していく必要があります。総入れ歯になると更に条件は悪くなります。あごの土手の高さ、幅の有無、あごの位置、咬む力の強弱等々ですが、歯科医がどんなにいい治療だといっても、総入れ歯に関しては患者さんの評判が治療の質をそのまま表していると言っても過言ではありません。
紙面の都合でインプラントは次回にします。
[講師]
コスモ歯科クリニック院長 松沢憲治 先生
■松沢先生プロフィール
山陽小野田市 丸久厚狭店1F コスモ歯科クリニック院長 |
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※この特集は、2005年にサンデー小野田に掲載されたものです。 |