泌尿器科
 第1回:
 過活動膀胱について
 第2回:
 腎臓と糖尿病について
 第3回:
 前立腺癌(がん)の
 腫瘍マーカーPSAに
 ついて
 第4回:
 尿潜血反応って…。
 第5回:
 夜尿症(おねしょ)に
 ついて
 第6回:
 膀胱炎の原因と予防
 第7回:
 膀胱炎の治療と
 治りにくい膀胱炎
 第8回:
 健診と腎臓
 第9回:
 腎臓と高血圧
 第10回:
 高尿酸血症と腎臓
 第11回:
 尿漏れ(尿失禁)
 について
 最終回:
 泌尿器科ってどういう
 ところ?

歯科
 第1回:
 「何故歯ブラシの
 仕方を歯科医院で
 教えるのか」
 第2回:
 「歯周病(歯槽膿漏)
 は、早期発見・早期
 治療!!」
 第3回:
 「痛くない歯を治療して
 痛くなる場合」
 第4回:
 「虫歯の
 できやすいところ」
 第5回:
 「歯を抜けたままに
 しておいてよいか」
 最終回:
 「歯を抜けたままに
 しておいてよいか」(2)


・このサイトについて
・お問い合わせ

 泌尿器科のお話

■第9回■
腎臓と高血圧


 高血圧の95%以上を占める本態性高血圧と腎臓は切っても切れない密接な関係にあります。高血圧で、『塩分を減らして下さい』と言われた覚えのある方も多いと思います。

 高血圧になる原因はさまざまですが、食生活、特に塩分の取り過ぎの影響が大きいと言われています。なぜ塩分が高血圧と関連するのでしょうか?

 塩分は人の体に必要不可欠ですが、多く取り過ぎると体内にナトリウム(Na)と水分が貯まり、体液量が増え、血圧が上昇します。体液量が増えると、血圧を上げる事で、腎臓での濾過量を増やし、貯留したNa・水分を排泄します。このように高血圧の悪循環に陥るわけです。

 高血圧状態が長く続くと濾過フィルターである腎臓の糸球体の硬化・線維化を生じ、腎臓自体が固く小さく萎縮します(腎硬化症)。腎硬化症になると、Na・水分の排泄能力が衰え、体液量の増加を生じ、さらに高血圧となります。腎硬化症が悪化すると、腎不全となり、最終的に生命を維持するために人工透析が必要となってきます。腎機能の悪化を食い止め、高血圧の悪循環を断つためにも高血圧治療が必要なのです。

 高血圧の30-40%の方は、減塩食にすることで、降圧剤を使わなくても、血圧が著明に低下するはずです。日本人の塩分摂取量は1日平均12gを超え、欧米(5〜7g程度)に比べて高くなっています。まずは、減塩を心掛けてみましょう。

 普段の食事から塩分を減らす工夫としましては、
●加工食品・インスタント食品・ファーストフード・漬物などは控えめに。
●しょうゆ、味噌、食塩などを減らし、酢や香辛料などを用いる。
●汁物は具を増やして汁を減らし、天然だしを使う。
●カリウムや食物繊維の多い食品を食べる。






[講師]
わたなべ泌尿器科院長 渡辺悦也 先生
■渡辺先生プロフィール
わたなべ泌尿器科(小野田市中川)院長。宇部生まれ宇部市育ちの40歳。日本泌尿器科学会認定の専門医、指導医。日本癌学会、日本癌治療学会会員。




泌尿器科に関するお悩み、質問に紙上でお答えします。ご希望の方はメールで質問をお寄せ下さい。>>>sundayonoda@ubenippo.co.jp


※この特集は、2005年にサンデー小野田に掲載されたものです。
Copyright(C)2005 SUNDAY ONODA. All rights reserved.