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■第1回■
おしっこが近い・漏れる・間に合わないといった症候群・・・
「過活動膀胱」について
みなさんの中に、「急におしっこに行きたくなったら我慢ができない」「おしっこが近くて困る」「トイレに行くのが間に合わずに漏れてしまう」といった症状でお悩みの方はおられませんか?
膀胱炎や膀胱がん、前立腺肥大症などの病気でもおこる症状ですが、それらの病気にかかっていなくても、尿意切迫感・頻尿・切迫性尿失禁といった症状を有する状態を『過活動膀胱』と呼びます。欧米の調査では、40歳以上で5人に1人、65歳以上で3人に1人がこの病気で悩んでおられ、日本の調査でも8人に1人がこの状態であると判明しました。
800万人以上もの患者さんがいると考えられ、これは、糖尿病の患者さんとほぼ同じ数で、気管支ぜんそくの患者さんよりも多い数です。しかし、3人に1人しか病院に通っていません。病院にいかない理由としては、恥ずかしくて‥という羞恥心と,病気とは知らなかった、どこにいったら良いかわからない‥といった不認知とが半々です。
この結果は、われわれ泌尿器科医の啓蒙不足によるところであり、反省すべきことだと感じております。実は『過活動膀胱』であれば、薬物療法や行動療法などで80%以上の方が治る病気ですので、みなさんもあきらめたり恥ずかしがったりしないで専門医(泌尿器科)を受診して、快適な生活を取り戻してみてはいかがでしょうか?
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[講師]
わたなべ泌尿器科院長 渡辺悦也 先生
■渡辺先生プロフィール
わたなべ泌尿器科(小野田市中川)院長。宇部生まれ宇部市育ちの40歳。日本泌尿器科学会認定の専門医、指導医。日本癌学会、日本癌治療学会会員。 |
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※この特集は、2005年にサンデー小野田に掲載されたものです。 |