泌尿器科
 第1回:
 過活動膀胱について
 第2回:
 腎臓と糖尿病について
 第3回:
 前立腺癌(がん)の
 腫瘍マーカーPSAに
 ついて
 第4回:
 尿潜血反応って…。
 第5回:
 夜尿症(おねしょ)に
 ついて
 第6回:
 膀胱炎の原因と予防
 第7回:
 膀胱炎の治療と
 治りにくい膀胱炎
 第8回:
 健診と腎臓
 第9回:
 腎臓と高血圧
 第10回:
 高尿酸血症と腎臓
 第11回:
 尿漏れ(尿失禁)
 について
 最終回:
 泌尿器科ってどういう
 ところ?

歯科
 第1回:
 「何故歯ブラシの
 仕方を歯科医院で
 教えるのか」
 第2回:
 「歯周病(歯槽膿漏)
 は、早期発見・早期
 治療!!」
 第3回:
 「痛くない歯を治療して
 痛くなる場合」
 第4回:
 「虫歯の
 できやすいところ」
 第5回:
 「歯を抜けたままに
 しておいてよいか」
 最終回:
 「歯を抜けたままに
 しておいてよいか」(2)


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 泌尿器科のお話

■第2回■
「腎臓と糖尿病」について


2月1日〜7日は生活習慣病予防週間でした。そこで、今回は腎臓と糖尿病についてのお話をします。

糖尿病は高血糖によって全身の血管をぼろぼろにする病気で、三大合併症の一つが糖尿病性腎症です。
腎臓は尿をつくる臓器ですが、体の中に必要な物を残し、不必要な物(老廃物)を捨てるフィルターの仕事をしています。高血糖で腎臓の中の血管が障害されると、フィルター機能が壊れ、体内に老廃物がたまり、腎障害が進みます。最後には、腎不全(尿毒症)となり、機械で毒素を取り去る血液透析が必要となります。

糖尿病が原因で透析療法を受ける人は年々増えてきており、現在では、全国23万人の透析患者さんの3割が糖尿病性腎症によるものです。糖尿病性腎症は自覚症状のないまま,じわじわと進行していき、タンパク尿、体がむくむ(浮腫)などの症状がでてきた時には、腎症が進んだ状態で、治療も進行を遅らせることが中心となります。

このため、早期に腎症を発見することが重要で、それには、尿の微量アルブミン検査が有効です。この検査は、新しい検査方法ですが、一般の尿検査の方法で可能です。微量アルブミン検査が陽性となる前後から透析までには、五つの段階(正常期、早期腎症期、腎症期、腎不全期、透析期)があり、それぞれの段階によって,薬物療法,食事療法,血糖・血圧の管理が微妙に異なってきます。

自覚症状がなくても、(1)血糖管理(特に食後の高血糖の改善)をきちんとする、(2)定期的に尿検査を受ける、(3)塩分やタンパクの摂り過ぎに注意する、など腎臓にやさしい生活を実行することが、糖尿病による腎臓障害を予防するうえで大変重要となります。泌尿器科は腎臓の専門科の立場から、糖尿病腎症の早期から透析期までの全段階において、ご相談をお受けしています。


[講師]
わたなべ泌尿器科院長 渡辺悦也 先生
■渡辺先生プロフィール
わたなべ泌尿器科(小野田市中川)院長。宇部生まれ宇部市育ちの40歳。日本泌尿器科学会認定の専門医、指導医。日本癌学会、日本癌治療学会会員。




泌尿器科に関するお悩み、質問に紙上でお答えします。ご希望の方はメールで質問をお寄せ下さい。>>>sundayonoda@ubenippo.co.jp


※この特集は、2005年にサンデー小野田に掲載されたものです。
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