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■第4回■ 尿潜血反応って…。
今回は、メールでご相談のあった尿潜血についてのお話をします。目で見ても尿が赤くないのに健康診断で血尿を指摘されることがあります。この場合の血尿は尿潜血反応陽性を意味します。
尿潜血反応とは尿中の血色素反応をみる検査で、尿に血液(赤血球)が10000個/ml以上存在すれば陽性となります。これは非常に感度が高く、かなりの比率で陽性になってしまいます。また、正常でも尿中には1000個/ml程度の赤血球が含まれているため、判定までの時間がかかった場合などには陽性になったり、女性では生理の前後で陽性になったりすることがあります。血液以外のヘモグロビンやミオグロビンが尿に混じった場合にも陽性になります。
尿潜血反応が陽性になる原因は様々ですが、二次検査で原因が特定できるものは40%、その内治療を要するものは40%弱といわれています。これだけ聞くと、尿潜血を調べる必要があるの?といった疑問が生じることでしょう。しかし、この検査は簡便であり、陽性者の中から尿路のガンや腎臓病などが見つかることがあるため(ガンが3%ぐらい発見されるとの報告も)、やはり大事な検査と言えます。
二次検査としましては、尿沈渣(顕微鏡検査)、超音波(エコー)検査、尿路レントゲン検査など専門的検査が行われますが、この中では尿沈渣が最も簡単かつ重要で,これにより赤血球の数やその形を調べる事が出来ます。その結果、どこまでのどのような検査が必要か、あるいは、定期的な経過観察でよい、などを判断します。
尿潜血が陽性となる病気の多くは他にこれといった症状がみられない場合が多いため、尿潜血を指摘された方は、まずは尿沈渣を受けられることをお勧めします。また、ガンや腎臓病による血尿の場合は、経時的変化も重要となるため、出来れば数回に渡って受けられた方がよいでしょう。
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[講師]
わたなべ泌尿器科院長 渡辺悦也 先生
■渡辺先生プロフィール
わたなべ泌尿器科(小野田市中川)院長。宇部生まれ宇部市育ちの40歳。日本泌尿器科学会認定の専門医、指導医。日本癌学会、日本癌治療学会会員。 |
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※この特集は、2005年にサンデー小野田に掲載されたものです。 |